家と暮らしのお役立ちコラム
ツーバイフォー工法ってどんな家?2×4工法のメリット・デメリット比較
柱・壁などの構造体に木材を用いた木造住宅は、日本の一戸建て住宅の92.5%を占める(※)ほど、私たちにとって馴染み深い存在です。この記事では、その木造住宅の工法の一つであるツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)について、特徴やメリット、デメリットなどの観点から解説していきます。ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)は、耐震性や耐火性などメリットの多い工法ですので、住宅を検討する際の参考としてください。
※「平成30年 住宅・土地統計調査 住宅数概数集計」より
木造住宅の工法の一つ「ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)」について
日本における木造住宅の主要な工法には「在来工法(木造軸組工法)」「ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)」「木質プレハブ工法」の3つがあり、2016年におけるシェアは下記の通りです。
- 在来工法(木造軸組工法):75%
- ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法):23%
- 木質プレハブ工法:3%
※データ出所:林野庁ホームページ
この記事で取り上げるツーバイフォー工法は、1830年代に北米で生まれ、日本で1974年に建設が認可されて以来、着実に着工数を増やし続けています。なお、ツーバイフォー工法という名前は、使われる構造材のサイズが2インチ×4インチ(38㎜×89㎜)であることにちなんでいます。
ツーバイフォー工法と在来工法、何が違う?
日本の木造住宅の工法のほとんどのシェアを占める「ツーバイフォー工法」「在来工法」ですが、下記はそれぞれの違いをイラストで比較したものです。
在来工法(左)は、柱や梁(柱と柱をつなぐ横にかかった構造材)、筋かい(柱と柱の間に斜めに入れる角材)など軸組(線材)で建物の荷重を支える工法です。一方、ツーバイフォー工法(右)は面で支える構造で、外圧を分散しやすく変形しにくいのが特徴です。
ツーバイフォー工法のメリット
ツーバイフォー工法が1974年に日本に持ち込まれて以来、右肩上がりでシェアを伸ばしているのにはそれなりの理由・メリットがあります。一つずつご紹介していきます。
耐震性に優れている
ツーバイフォー工法で建てられた住宅は、床・壁・屋根が一体となったモノコック構造(飛行機や自動車にも採用されている、外皮が強度部材を兼ねた構造物のこと)で、地震による外圧を建物の6面でバランスよく受け止めて地盤に逃します。そのため、外圧が接合部に集中してしまう在来工法に比べて地震時の変形が少なく、家具の倒壊や仕上げ材の損傷の被害も低く抑えられることが期待できます。
ではツーバイフォー工法で建てられた家がどの程度地震に強いのか、一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会が実施した調査の結果をご紹介しましょう。以下、調査結果の引用です。
東日本大震災の場合:98%が当面補修をしなくとも居住に支障なし
調査対象住宅は20,772戸(平成23年7月28日現在)ですが、そのうち、当面補修をしなくとも居住に支障ない住宅は19,640戸で95%にあたります。津波による被害を除けば、当面補修をしなくとも居住に支障のない住宅は98%を占めています。
新潟県中越地震の場合:全半壊ゼロ
この地震は本震の後、最大震度5弱以上の余震が15回も短時間に発生したことも、大きな特徴となっています。このため家屋の被害は全壊・半壊が約18,800棟、一部損壊を含めると全部で約9万棟もの住宅が損壊の被害に遭ったといわれます。(中略)当協会の調査によるとツーバイフォー住宅の大きな被害は報告されていません。
阪神・淡路大震災の場合:96.8%がとくに補修をしなくても継続して居住可能
この地震による家屋の被害は、全壊約10万1,000棟、半壊を含めた一部損壊が約28万9,000棟以上(平成7年4月24日の自治省(現・総務省)消防庁発表より)。しかし、このような壊滅的な状況下でさえ、ツーバイフォー住宅に大きな被害はありませんでした。当協会の調査によると、被災地のツーバイフォー住宅のうち96.8%がとくに補修をしなくても継続して居住可能な状態を保ったことがわかっています。
このように、ツーバイフォー工法は過去日本で発生したさまざまな大地震に対する実績があることをご理解いただけたかと思います。
ツーバイフォー工法は台風にも強い
ツーバイフォー工法は地震に加え、台風にも強いという特徴があります。
もともとツーバイフォー工法が誕生した北米は、ハリケーンに襲われることが多いため、強風に対する工夫や対策がしっかりとなされています。例えば「ハリケーンタイ」と呼ばれるあおり止め金具は、ツーバイフォー工法の住宅の屋根に用いられますが、屋根と外壁をしっかり連結するため、台風による強風にも優れた強度を発揮します。
ハリケーンタイ(あおり止め金具)
ツーバイフォー工法を導入する一般的な建築会社の場合、垂木(たるき)に縦方向が14㎝のツーバイシックス材を用いますが、北洲ハウジングは18㎝超のツーバイエイト材を使用しています。そのため北洲ハウジングの住まいは、台風などの強風による吹き上げに対して、より頑丈な設計となっているのです。
火災にも強いツーバイフォー工法の家
「省令準耐火構造の住宅」という言葉をご存知でしょうか?具体的には以下の特徴を兼ね備えた、耐火性のある住宅のことを指し、住宅金融支援機構が基準を定めています。
- 隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止)
- 火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(各室防火)
- 万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる(他室への延焼遅延)
実はツーバイフォー工法で建てられた建物のほとんどが、特別な設計・施工をせずとも省令準耐火構造の基準を満たします。「省令準耐火構造の住宅は木造でありながら、火災保険料が鉄筋コンクリート、鉄骨の戸建住宅と同等の金額となる」と言えば、その耐火性の高さがお分かりいただけるかもしれません。
なお、「ツーバイフォー工法の家は、木で作られているので燃えやすいのでは?」という印象を持っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし一定以上の厚みがある木材は、火が内部まで進行しないため、強度が低下しにくいという特徴があります。またツーバイフォー工法の建物が火に強い理由には、木材そのものが火に強いこと以外にも、「ツーバイフォー工法のファイヤーストップ構造が火の燃え広がりを防ぐこと」も挙げられます。
ほかにも「住宅が長持ちする」「省エネ」といったメリットも
劣化した断熱材
住宅を長持ちさせるポイントの一つに「湿気・結露への対策」が挙げられます。結露は放置すると、構造材・断熱材が腐食・腐朽したり、カビやダニの原因にもつながります。
外気と室内に温度差がある場合に発生しやすい結露ですが、ツーバイフォー工法の住宅は壁内に施された断熱材が室内と室外の温度差を緩和するので、結露が発生しにくくなります。
またツーバイフォー工法で作られた建物は、構造体自体がもともと優れた断熱性・気密性を兼ね備えています。少ないエネルギーで、魔法瓶のように室内を快適な状態のまま維持することが可能となるため、光熱費を抑えたエコな住宅であると言えるでしょう。
ツーバイフォー工法のデメリット
ツーバイフォー工法のデメリットは、間取り決めやリフォーム時に制約がでる場合があることです。ツーバイフォー工法は建物の荷重を壁で支えるので、壁を大幅になくすような間取りは建築物の強度を低下させてしまうため、実現できない場合があります。
もちろん構造のルールをしっかり守っていれば問題ないので、ご希望の間取りをツーバイフォー工法で実現できるか気になる場合は、ぜひご相談ください。
ツーバイフォー工法の家を建てるなら北洲ハウジング
北洲ハウジングは、ツーバイフォー工法オープン化直後から寒い地域での木造枠組壁工法の住宅を手がけるパイオニアとして、冬季に発生しやすい壁内結露を防ぐ方法など、北国ならではの家づくりノウハウを豊富に持っています。
北洲ハウジングにご興味を持っていただけましたら、カタログをお取り寄せいただくか、展示場へお越しください(いずれも無料です)。
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