家と暮らしのお役立ちコラム

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)のメリット・デメリットについて解説

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)とは、簡単に表現すると「家庭で消費するエネルギーよりも創り出されるエネルギーの方が多く、環境にもお財布にもやさしい住宅のこと」です。これだけ見ると、“良いこと尽くめ”に思えますが、ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)を購入したり、実際に住むとなった場合、デメリットはないのでしょうか?この記事では、ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)についてメリット、デメリットの両面から解説していきます。

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の導入が進む背景や概要について詳しく知りたい方は、以下のページもあわせてご覧ください。

» ゼロエネルギー住宅とは?ZEH(ゼッチ)で実現する省エネ・高断熱の環境に優しい住まい

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)のメリット

まずはゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)のメリットについてご紹介します。

メリット1. 光熱費を抑えることができる

光熱費の抑制

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)を表すキーワードは、「高断熱」「省エネ」「創エネ」の三つです。

  • 高い住宅性能と高効率設備によって、自宅で使用する電力を最小限に抑える(高断熱・省エネ)
  • 太陽光発電のシステムによって自宅の電力を創り出す(創エネ)

これにより、光熱費を最小限に抑えることができるのです。

下記のグラフは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会2018」の発表資料をもとに作成したものです。

マイホームをZEHにした理由
※ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会2018を参考に編集部にて作成

マイホームをZEHにした理由への回答として「光熱費の削減」が一位となっており、多くの人が光熱費を抑えることができる点に魅力を感じていることが見て取れます。

抑えるだけじゃない!収支がプラスになるケースも

自家発電した電力量が家庭の消費電力量を上回った場合、電力会社に余った分を買い取ってもらうことも可能です。

下記のグラフをご覧ください。

光熱費が増える冬の時期を除くと、エネルギーコスト収支がプラスで推移している

光熱費が増える冬の時期を除くと、エネルギーコスト収支がプラスで推移していることがわかります。年間を通すと、1軒あたりの平均エネルギーコスト収支は一戸あたり42,461円プラスという結果になっています。

このように、ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の実現によって、これまで当たり前に支払っていた光熱費をゼロ(もしくはそれ以下)にできる可能性があります。

メリット2. 自宅が健康に優しい快適な環境になる

自宅が健康に優しい快適な環境に

断熱性能を高めた高断熱の家は、熱を外に逃しにくく、家の中の温度を一定に保ちやすいという特徴があります。冬でも室内での体感温度はあたたく感じることができ、急激な温度変化によるヒートショックを防ぐことができます。

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)で過ごした人のアンケート
※ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会2018を参考に編集部にて作成

実際にゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)で過ごした7割以上の人が「以前住んでいた家よりも暖かく暮らしやすかった」「快適な住まいが実現できている」と回答していることからも、その効果をご理解いただけるかと思います。

メリット3. 停電時にも電力を使える

停電時にも電力を使える

たまに「台風などの災害で停電が発生した」といったニュースを見ることがあるかと思いますが、太陽光発電システムを導入していれば停電時にも非常用コンセントから発電した電気を使用できます(※)。
※蓄電池がない(もしくは使えない)場合、自家発電した電気を蓄電池に貯めることができないため、太陽光が届かない夜は発電ができません。また日中でも、分電盤などの周辺機器に破損や水濡れがある場合は使用できないことがあります。

ちなみに、太陽光パネルの「見た目」にあまりいい印象を持っていない方もいらっしゃいますが、屋根と一体となった太陽光パネルも販売されているため、太陽光発電のメリットを享受しつつ、外観美にこだわることも可能です。

北洲ハウジングの太陽光パネル

メリット4. 補助金を申請できる

補助金申請

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)は、国がパリ協定で結んだ国際公約を果たすために推進している国策の一つです。環境省国土交通省経済産業省が連携して、ZEH支援事業(補助金)を推進しています。

補助金制度の概要(基準・対象者・金額など)は年度ごとに変わるので注意が必要ですが、2019年度は対象住戸が満たす条件によって70万円もしくは115万円を補助額として受け取れると発表されています(参考:平成31年度の経済産業省と環境省のZEH補助金について)。

※2019年度は終了しています

ただし、この補助金は全員が必ず受け取れるものではないので注意しましょう。2017年は先着順、2018年以降は抽選方式が採用されています。

補助金の申請を考えている方は、事前に各省庁が出している最新の応募要項に目を通し、住宅メーカーの担当者と申請書類の準備やスケジュールについてしっかり確認しておきましょう。

» 経済産業省 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

» 国土交通省 ZEH、LCCM住宅関連事業(補助金)について

» 環境省 ZEH関連事業(補助金)について

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)のデメリット

では、ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)にデメリットはあるのでしょうか?メリットとあわせてデメリットも把握しておきましょう。

デメリット1. 設備費がかかる

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)には、従来の家よりも性能を高めるための省エネ・創エネ設備が必要となります。これらの設備を導入するための初期導入コストがZEHではない住宅よりも多くかかる点は、デメリットの一つと言えます。

そこで、北洲ハウジングでは初期コストゼロで太陽光発電を搭載できる「シェアでんき」というサービスをご提案しています。このサービスを利用すると、導入コストを抑えながら、長期的には費用面でのメリットも享受できます。

デメリット2. 外観デザインや間取りに制限が出る

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の基準を満たすために、外観デザインや間取りに制限が出ることがあります。

例えば屋根の形状。十分なエネルギーを確保するために、大型の太陽光パネルを設置しようとすると、場合によっては片流れ形の屋根に限定されてしまうことがあります。

屋根の形状別に見たエネルギー量の比較

また、間取りに制限が生じるケースもあります。ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の達成には、エネルギーの消費量を抑えることがポイントとなりますが、それを実現するために例えば「部屋を間仕切ったり、LDKを小さくしなければならない」といった制約が出てきてしまうことがあるのです。

デメリット3. 太陽光発電は天候次第

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)には太陽光発電が不可欠ですが、太陽光発電は太陽光を利用して発電するため、天候の悪い日は発電量が減ります。そのため、日照時間が短い梅雨や冬の時期は発電量が減る傾向にあることは把握しておきましょう。

また、電力の買取についても知っておくべきことがあります。一つ目は「電力の買取金額が年々減少傾向にあること」です。この減少傾向は今後も続く可能性があります。そして、二つ目は「余剰電力の買取期間に期限があること」です。住宅用太陽光発電の余剰電力の固定価格の買取期間は10年間と定められており、設置後もずっと買取が保証されているわけではありません。買取期間である10年を過ぎた後は、契約内容によっては自分で買取業者を選定し、買取契約を新たに結ぶなどの対応が必要になる可能性があります。

おわりに

本文中のアンケートで、7割以上の人がゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の家に住んでみて、「以前住んでいた家よりも暖かく暮らしやすかった」「快適な住まいが実現できている」と回答しているとお伝えしました。このようにゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)は、住む人にとってメリットが大きいと言えます。

ほとんどの人々にとって、家との付き合いは何十年、時には生涯に渡ります。長い目で見て、どのような家づくりをしていくべきなのか、考えてみてください。

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)というと、「大容量発電を搭載してゼロエネルギーにする」と捉えられがちですが、北洲ハウジングでは、国の基準よりも、さらに高い断熱性能で省エネを実現したうえで、創エネ設備をプラスするというご提案を行なっています。

北洲の考えるZEH

環境問題に対して建築的にアプローチし、家中どこでも暖かく、健康で快適な暮らしを実現する住まいが、北洲のZEHです。ご興味のある方はぜひご相談ください。

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